令和6(2024)年における過失運転致死傷等事件は、被疑者274,841人のうち1.8%が公判請求され、13.2%が略式起訴され、82.6%が不起訴処分となり、2.4%が家庭裁判所送致されました。(出典:令和7年版犯罪白書181頁 https://www.moj.go.jp/content/001455836.pdf )
私見では、起訴/不起訴の実務的基準について、3段階で考えるのがよいと思います。
1 まず、道交法違反(例:酒気帯び、事故不申告、救護措置義務違反)を伴う場合、ほぼ不起訴はあり得ず、少なくとも罰金刑以上が見込まれます。
2 次に、人身被害の程度の軽重により左右され、加療3週間以内であれば不起訴(起訴猶予)の可能性が非常に高く、おおむね加療2か月以上であれば少なくとも罰金刑以上が見込まれます。
3 ただし、加害者側の事情(例:わき見、赤色信号看過、一時停止義務違反、センターラインオーバー)と被害者側の事情(例:横断歩道、優先道路、速度超過、飛び出し)によって前記2を加重又は減軽する必要があります。
※前記2は、初期診療時の診断書(いわゆる警察用診断書)です。任意保険又は労災保険の一括対応期間はこれより長くなるケースが多いですが、刑事事件の処分に自動的には反映されません。特にむち打ち(頚椎・腰椎の捻挫・打撲)は警察用診断書に基づき起訴/不起訴が決定されることがほとんどです。
※なお、危険運転致死傷の場合は全く異なります。そもそも法定刑に罰金刑はなく、592人のうち69.8%が公判請求されました。